普段は別にどうでもいいと思っているのに、何か急にある時期がやってくると、同じ物事に対して「やっぱりおかしい!」と妙に怒りがわいてくる。「怒の季節」というのが自分の中にあるんだけど、「怒の季節」に対して「攻撃される季節」というのもある。
 この間、親戚の前で、『近所の道路に信号があるんだけど、車のほとんど通らない時間帯でも「赤」になるのね。で、かつては「ま、いいや!」って、車が通らないからヒョイって無視して渡ってたのね。でも、そういうのって良くないかなと思って、最近はボケーっと「青」になるまで無視しないで、渡らないことにした。』って話を軽くしたら。突然。「今時そんなヤツいないだろッ!」とか「ムカつく、いい子ブってんじゃあないの!?」だの「目撃されて2chで書かれるからだろ偽善者!」とまで非難の集中砲火をあび始めた。やばい。
 「攻撃される季節」がやって来た。
 間違った事をしたり言ったりで攻撃されるのはしょうがないってのがあるが、なにもしてないのに。ていうか信号さえ渡ってもいない。これが「攻撃される季節」。なぜかわけがわからず攻撃されてしまうのだ。こういう時期がおとずれた時は、反撃なんかしようものなら、ますます攻撃されて痛めつけられてしまうので、ひたすら季節が終わるのを、花粉症の人が花粉が飛ばなくなるのを耐えしのぶように待つしか方法はない。この季節は「反撃する事は最大の防御にはならないのだ。」
――荒木飛呂彦
ジョジョの奇妙な冒険 40