言葉

数列  1, \frac{1}{2}, \frac{1}{3}, \dots, \frac{1}{n}, \dots の近づいていく「行き先」をこの数列の極限値といって、〔 \lim_{n\to \infty} \frac{1}{n}〕のように記すのである。そして、数列  1, \frac{1}{2}, \frac{1}{3}, \dots, \frac{1}{n}, \dots は 0 に収束するという。その行き先に到達するとは言っていないことに注意しよう。単に数列の指し示している先をその数列の極限値と呼んでいるのである。けっしてけっして(Never! Never!)「無限の操作を経たら」 0 になることを意味するのではない。

足立恒雄『無限のパラドクス』